ものづくりの本

価値観の尺度

現代の社会では個人が自由に、そして無限に様々な意見や考えを発信している。検索がもたらした価値は凄まじく、今まで記憶力に重きをおいてきた学習はなくなり、学校のテストもそのうち検索してもいいということになると思う。大事なことは知識を保有しているということではなくて、欲しい情報に瞬時に辿り着ける検索力と、それをどう応用し駆使するかといった能力。

その上で、大切になるのが「価値観の尺度」で、自分の中に持っているかどうかで世界の捉え方が変わる。

全国民、全世界の人々が責任なく自由に発言をしている現在のネット上においては、当然良くない意見や自分と反対意見を唱える人も多く存在する。そんな情報に触れたとき、いちいち反応していては時間がもったいない。それこそ、自分がつくったコンテンツやブログ文章にしても類似したものを発見する度に反応していてはナンセンス。むしろ、自分の生み出したものが広まることで世の中がよりよくなると考えればいい。「だから君は〇〇だ」といったブログはスルーしよう。価値観の尺度が自分の中にあれば、いつでも心は整う。

とはいえ、その尺度は固定値でなくてもよくて、その都度可変できる柔軟なものさしでいい。完全な答えなんてないから。

ちなみに、僕は仕事で手掛けたものにサインをすることは稀で、その理由は、ないほうが美しいと感じるものが多いから。
特に工業製品は、企業のロゴや成分が印字されているのは好まない。それそのものが生まれたままの状態、ありのままの姿がこの上なく美しいと感じる。

ただ最近は、パッケージくらいにはあってもいいかなと思いはじめた。無名の名工への憧れがあったけど、自分が生み出したっていう証はあってもいいのではないかと思うようになったから。

こういった考えの変化自体も、僕の価値観の尺度。