ものづくりの本

何が幸せか

社会に出てしばらく経ったあるとき、僕みたいなデザイナーを雇ってデザインしてもらい販売したら、今よりも効率よく生産できると思った。僕の思想や志を共有して、それを生み出してもらえたら、それは僕の作品でもある。経営としては正しいと思った一方で、それはなんともつまらないとも感じた。

なぜこのような思考に至ったかというと「何が幸せか」がとても大切だから。
社長として生産性の高いチームを作って最高の製品を作りたいという想いよりも、僕は自分の手を動かして試行錯誤果てに製品や作品を生み出したい。この時間こそが至福であり、僕にとってこの上ない幸せ。

こうやって文字にすると、思考回路自体が大企業のトップにはまったく向かないことは明らかで、いつまで経っても僕は自分で何でもやってしまう中小企業の社長向きだと思う。

それでも僕はいいと思っている。
その方が幸せだから。