銘 靄

茶の湯には「一井戸、二楽、三唐津」という言葉がある。
後に利休の影響力からか「一楽、二萩、三唐津」という格付けが生まれたけれど、井戸茶碗はやっぱり魅力的で、その素朴な器の存在感は人の意図を凌駕している。

そんな井戸茶碗のような器ができたらと思う一方で、その時点で意図している訳だから、こういった思考がなくならないうちは本質的に超えるようなものは生まれない。

とはいえ、魅力的に感じるのは事実だから、しばらくは憧れを抱く想いを素直に認めて作品を手掛けていこうと思う。

 

陶芸作品 銘 靄(もや)
銘 靄(もや)

銘を靄(もや)と名付けた。
焼き上がった器の梅花皮(かいらぎ)を見たとき、靄がかかってるなと。

「銘」というと随分大それたことをしている印象を受けるので、今後はあまり名付けなくてもいいのかもしれない。

 

陶芸作品 銘 靄(もや)

貫入と梅花皮は陶器の魅力だと感じていて、それが上手く出たのは幸いだった。もの自体は、かなり肉厚なのでそこそこの重さがある。

 

陶芸作品 銘 靄(もや)

内側には必要以上に釉薬をかけたところ、宝石のような輝きが生まれた。
焼き上がるまで分からないというのが陶芸の面白いところ。
こうなるかもっていう、ものづくりの勘が冴えると素直にうれしい。

 

陶芸作品 銘 靄(もや)

完璧ではないけれど、一歩理想に近づいた。