鉋を引く

刃の研ぎが終わり、いよいよ鉋の台を仕上げる。

家具の学校 鉋を引く

まずは鑿(ノミ)で鉋の刃が入るよう調整していく。
やり方は、刃に鉛筆の黒鉛をつけてから手で力いっぱい差し込み、跡がついたところを削るという地道な作業。この際、刃が2mmほど内側に留まる程度にする。しばらく続けていると丁度良い具合に。

次に、裏の面を整える。
伝統的には立鉋(台直し鉋)という、鉋を仕上げる鉋を仕上げてから取り掛かるらしい。しかし、その工程は時間が掛かりすぎるとのことで、八王子現代家具工芸学校ではペーパーとスクレーパーという現代的な道具を推奨してるため、こちらの工程で進めることに。

家具の学校 鉋を引く

刃を取り出して、先生の伊藤さんにおよそここを削るという部分にあたりをつけて頂いた。仕組みとしては、鉋を持つ側の際と刃の手前のみが木面に接するように仕上げることで、刃を出した部分だけが削れる。

ガラスにペーパーを張り付け面を均一にしたら、そのあとは万力ではさみスクレーパーで余分な部分削っていく。繊細な作業で、目安は髪の毛一本分。定規をあてがいながら、向こう側から差し込む光をたよりに削る。

家具の学校 鉋を引く
スクレーパー。
机にのっている定規をあてがい、鉋の面をみる。
家具の学校 鉋を引く
スクレーパーの使い方を教えていただいたところ。

重複するけれど、やっぱり祈りだと思う。
淡々とひたすらに道具を整えていく行為は。

 

ようやく完成し、はじめて自分で仕込んだ鉋を引く。

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シュルシュルと音を立てて削れた。

 

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ただ、ちょっと思ってた鉋屑じゃない。
伊藤さんに尋ねると、楢材は導管が多く細かい線状になるらしい。
たぶんこれだね、と、檜を持ってきてくださり、再度鉋を引く。

 

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これ!まさにこれでした。
シューっという感じで紙のような鉋屑が出て来た。
長い工程だったため報われたようで安堵した。
完璧な調整ではないけれど、とにかく削れてよかった。

 

これら道具がつくづく面白いと思うのは、買ったままでは使えず、手にした者が仕込まなければならないということ。

でも一方で、製品も本来こうあるべきだとも思えてくる。
家具を購入し脚を短くするといった行為は近しく、各々がリサイズした方が使いやすいのは明らか。

未完成でいいのかもしれない。