然るべき姿

今日の建築は古典の建築に鑑みるべきだとつくづく思う。

コンクリートに化粧材を張っただけの建築は、どう考えても美しくない。それに、出来上がった瞬間がもっとも価値が高いというのも可笑しな話だ。

近年の建築は何故か大半がただただ古びてしまう。そこに味わい深さや渋みといった魅力はない。でも、明治大正以前になってくると、庶民の家であっても十二分な魅力を感じることができる。

その謎を考えると、結局のところ素材による影響が大きい。日本という風土には、やはり木という素材が合っている。どんなに素朴な家屋であっても、木造建築というだけで風土の恩恵を頂くことができるから。

木造建築といえば建築物として1300年以上の歴史を誇る法隆寺は、その美観のみならず耐震構造も参考にするべきだし、白川郷やひがし茶屋街、銀山温泉といった町並の美しさは周知の事実なのだから、これら文化を現代に繋ぎ日本をあらためることが、これからの時代の責務だと感じる。素材と構造の観点からいっても、再生、移転ができる木造建築はスケルトンインフィルが叫ばれる何千年も前からサスティナブルだ。

 

西洋文化を盲信する時代は平成までで十分だ。
西洋も東洋も世界の歴史も日本の歴史もフラットに据えて模索しよう。

現今に相応しい然るべき姿を。