思いつき

自分が手掛けた製品や作品が出てくる物語を手掛けたいなとふと思った。

結局僕がやりたいことは、理想を現実化すること。

興味の分野は幅が広くて、器、家具、文具、衣服、建築、町並など、手に触れるもの、目に映るものすべてに興味がある。ここ数年はずっと西洋東洋の国風化や、うるわしき日本の体現といったところが思考の拠り所として柱になっていて、ひとつひとつ丁寧に手掛けているのだけれど、そのものの良さを共有できる人は意外と限られていて、ものを単価、あるいは機能的価値以外で真剣に選び購入しようとする人は実はそこまで多くはない。

一方で、まったく分野は異なるけれど、例えば漫画やアニメのキャラクターになりきるコスプレイヤーは、その世界観に感銘を受けて自らの手で創作して着飾っている。これってすごく理想的なのかもしれないと思った。

 

量産する場合、どうしても必要以上に生産してしまうことがある。量産するからこそ製品単価が安価になるのだけれど、これからの時代に資源を使い込んでしまう大量生産品は環境問題から考えてもフィットしない。一方で、自分で手作りをした場合、自分の経済範囲において出来る限りの良い作品をつくろうとする。(少し無理をしている方もいるかもしれないけれど)そのものづくりではきっと、できる限り無駄な材料は買わないようにするだろうし、何より自分で手掛けるのだからその過程の想いも宿って満足のいく品物にもなると思う。

憧れの対象になりうるような物語や世界観を生み出すことは、僕みたいに何でもやってみたい人にとっては天職だなと。

 

その上で、原画原作を僕が手掛けるというのも一つの選択肢だけど、僕のデザインした製品や手掛けた作品を物語の中に登場させたいという漫画家の方や小説家の方がいらしたら、そちらの方が面白いと思ってる。僕が手掛けたいのは特別な品ではなく日常の道具だから、色んな物語に登場してもいい。現役の工業デザイナーがデザインした生活道具が出てくる物語。

ワクワクしてきた。