縄文の文化財をオープンソース化し、誰でも自由に文化財の造形を活用することができる環境を生み出すためのプロジェクトがスタートしていたようで、見つけた記念にレンダリングをしてみた。
→縄文オープンソース
縄文土器の何がすごいかをいえば、まずは高度な技術力。粘土を扱ったことがなくとも、この造形を形づくるには相当な集中力が必要不可欠でどれほど時間が掛かることなのか、隆起する形状から瞬時に感じ取れると思う。はじめに芯となる内側の大きな器を形づくり、紐状に丸めた粘土や別にこしらえた取っ手等を合わせていき、割れないよう焼しめてようやく完成。それがひとつではなく、各地域ごとに生産されているのだから、列島全体の造形水準がどれほど高かったのか、出土した土器の精度から伺える。
そして何と言っても特筆すべきは、この造形を規定できるだけの思想だ。完全に読み取ることはできないが、一定の法則に沿って形づくられていることから、紋様や造形に何らかの意味があったことが推測できる。これはつまりある種の造形言語であって、紋様や装飾によって人々が思想を共有していたことを示している。残りやすい土器がこのレベルなのだから、木工や衣服は相当な次元であったことは想像に容易い。
縄文は本当にすごいと思う。
一万年続いた文明はないのだから。