ものづくりの本

単純と普通

同様に捉えがちだが非なるものだ。
単純は要素を取り除く、あるいは構成要素を少なくすることでつくることができる。普通はその先にある。

単純(Simple)は円や四角、球体や立方体など幾何学を取り入れると誰でも比較的簡単につくり出すことができる。装飾する意味が薄れる現代において単純化という手法は均一で合理的なものづくりを可能にするが、それが本当に生活を豊かにするのかは検証しなければならない。
普通(Normal)をつくる上で大切なのは、生活することであると思う。生活の経験の蓄積が、普通という概念の理解と共感を育む。

普通な物は、意外とすごい物である。

 

ものづくりの本 より